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墓じまいとは

墓じまいとは、現在あるお墓を撤去し、墓地を更地に戻して管理者へ返還し、そこで眠る遺骨を他の場所(永代供養墓、納骨堂、樹木葬、散骨など)へ移す一連の手続きを指します。日本社会では少子高齢化や核家族化、都市部への人口集中など社会構造の変化により、お墓を維持・管理することが難しくなる家庭が年々増えています。これにより「墓じまい」という選択肢を取る方が多くなっています。

墓じまいを行う主な理由

墓じまいが増加している背景には、いくつかの主な理由があります。最も多いのは、墓守をする後継者がいないこと、または子供たちが遠方に住んでいて継承が困難になったケースです。そのほか、高齢でお墓参りや管理が難しくなったり、維持費や管理費の負担を軽減したいという経済的理由も挙げられます。また、供養に対する価値観の多様化から、伝統的なお墓にこだわらず、納骨堂や樹木葬、海への散骨など新しい供養スタイルを希望する人も増えています。

墓じまいの意識調査

調査データの出典元:お墓探しのライフドット(株式会社エイチームライフデザイン)
https://www.lifedot.jp/ohaka-report003/

Q. 墓じまいをしたいと思ったことはありますか?

(n=689)
集計グラフ
「墓じまい」を
検討したことがある人は5
墓じまいのお悩みは年々増加

検討者は増加しているが・・・

Q. 墓じまいをしたことはありますか?

(n=689)
集計グラフ
「墓じまい」を
したことがある人は1
難しそう、面倒くさそう・・・
誰に相談すればよいか分からないなど、
諦める方がほどんど

一方で、 「墓じまい」を
満足している人は『約9割』
という結果が出ています。

Q. 墓じまいをして満足していますか?

(n=76)

近年、少子高齢化や核家族化の進行により「墓じまい」への関心が高まっています。意識調査によると、管理の負担や後継者不在、子ども世代への迷惑回避を理由に墓じまいを検討する人が増加しています。伝統的な墓参り文化への葛藤や、お墓の形に縛られない供養の多様化も見受けられます。一方で実際に墓じまいをしたことがある人は非常に少ないのが現状です。
墓じまいをしたことがある人の多くは墓じまいをして良かったと満足しています。

墓じまいの一般的な流れ

墓じまいは、いくつかの段階を経て進められます。まず、現地の調査を実施し、墓石の規模やお墓の状態を把握したうえで見積りを取ります。次に必要なのが、改葬許可証などの行政手続きです。これは現在お墓のある自治体で申請する必要があり、改葬先(新たな納骨先)で受入証明書の取得も必要です。書類が揃い次第、寺院や墓地管理者、親族と協議・調整します。親族間の同意形成は、トラブルを防ぐためにも特に重要となります。

その後、仏教の場合は「閉眼供養」(お性根抜き)を僧侶に依頼して執り行い、ご遺骨を丁寧に取り出します。遺骨の取り出しが終わったら、専門業者に依頼して墓石・外柵などを撤去し、土地を原状回復します。最後に、ご遺骨を新しい納骨先やご希望の供養方法の場所へ運び、必要な手続きを済ませて完了です。

墓じまいの注意点と費用

墓じまいをする際は、まず親族全員でよく話し合い、合意を得ることが大切です。親族内で意見が分かれると、後々大きなトラブルになる可能性があります。また、お寺がある場合、檀家をやめる(離檀)際に「離檀料」が発生する場合もあります。これは感謝料やこれまでの供養に対する謝礼を兼ねており、事前に金額や支払い方法を確認する必要があります。

行政手続きや書類の準備は煩雑になることが多いため、専門業者のサポートを利用すると安心です。費用相場は一般的に20~50万円程度(墓石の規模や場所、作業内容による)ですが、遺骨の引越し先の費用は別途発生します。

墓じまいはご先祖と家族を大切にする選択

墓じまいは、無縁仏や管理不全の状態になるのを防ぎ、ご先祖や故人を最後まで丁寧に供養するための大切な選択肢のひとつです。家族の将来の負担を軽減し、新しい時代の供養の形を考える契機ともなります。少しでもお悩みや不安があれば、早めに専門業者や寺院、自治体などに相談し、納得できる形で進めることが大切です。

お墓を放置してしまうと

お墓を放置することには、以下のような注意点があります。
お墓を放置せず、今後の管理や墓じまいについて早めに考えることが大切です。

1無縁墓となるリスク
お墓の管理がされなくなると「無縁墓」と見なされ、管理者(寺院や霊園)が一定期間を過ぎてから墓石を撤去し、遺骨を合祀(ごうし)される場合があります。元の姿で供養を続けることができなくなります。
2墓地運営者からの通知や費用請求
お墓の管理費が未納のまま放置すると、墓地管理者から管理費の請求や督促が届きます。大きなトラブルに発展し、最終的に遺骨が移動されることもあります。
3墓石や周辺の劣化・倒壊リスク
長年管理されないままだと墓石や周囲の設備が風雨などで劣化し、最悪の場合倒壊する危険があります。近隣のお墓や通行人に被害が及ぶ可能性も否定できません。
4親族間トラブルの原因
お墓の管理責任を巡って親族間でトラブルになることが多いです。「誰が責任を負うのか」「どう供養するか」などの問題が後々深刻化します。
5故人やご先祖への礼を欠くことに
お墓が荒れたり無縁仏となることで、ご先祖や故人への供養の気持ちが伝わらなくなり、精神的な負担や罪悪感を感じることもあります。